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残業代請求のポイントについて解説します。
労働基準法は,労働時間に関して次のようにルールを定めています。
では,何をもって「労働時間」というのでしょうか?この点につき,最高裁判所は,「客観的に使用者の指揮命令下に置かれていると評価できるか否か」という基準で判断しています。「客観的に」という部分がポイントで,就業規則や雇用契約書でどのように定めていようとまったく関係なく,客観的に指揮命令下に置かれていればすべて労働時間にあたるということです。
また,最高裁は,「労働からの解放が保障」されていなければ休憩時間といえないという基準も示していますので,医師や警備員等の仮眠時間や,タクシー運転手の客待ち待機時間も,緊急時や客がきたらすぐに対応の必要があるのであれば労働時間として認められることになります。
さらに,意外に思われるかもしれませんが,作業場所近くに喫煙所があり,電話呼び出し等があればすぐ戻らないといけないような状況であれば,喫煙時間もやはり労働時間にあたる可能性が高いことになります(したがって,会社側がよく「喫煙で離席が多かったから労働時間はもっと少ない。」等と主張するのは無意味です。)
労基法は,時間外・休日・深夜労働に対しては割増賃金を支払うよう会社に命じています。割増率は,平日か,休日か,深夜時間帯かによって4パターンに分かれます(下図参照)。
2008年の法改正により月60時間超の割増率がさらに上がりました。
私は,過労死・過労自殺予防の観点から,残業代請求にも力を入れています。本来,残業をさせればその分割増賃金を支払わねばなりませんので(コスト増),企業は本来長時間労働ましてや過労死するほどの異常な長時間労働をさせるはずがありません。
ところが,ご存知のように,日本の企業社会にはサービス残業=違法な不払残業が蔓延していますので,企業はコストをかけずに残業させることができるというおかしな現象が依然として続いています。
この不合理な状況を変えるには,「残業させたらその分割増した対価を払わねばならない。」という当たり前のことを企業に認識させ,ガンガン残業代を支払わせて懐を痛めてもらい,「労働時間管理ができてない経営者=無能」という社会の共通認識を作る必要があります。
というわけで,残業代請求は遠慮なくドンドンやりましょう!ちなみに,私は残業代請求に絶対的自信をもっていますので,弁護士費用・実費も含めて解決時精算方式で依頼をお受けしています(詳しくは「弁護士費用」のページ参照)。
残業代請求は,↓の大きく2つの論点に分けられます。
◆労働時間をどう立証するかという事実面の問題(テーマ1)と,
◆会社にいくらの支払義務があるかという法律面の問題(テーマ2~)
以下,テーマ毎に解説していきます。
「労働時間における立証の壁」のところで触れましたが(注:未執筆です。すみません。),残業代を含む賃金請求において,賃金を請求する根拠=労働した事実の主張立証責任は労働者側にあります。
どういうことかというと,「毎日最低3時間は残業した」と言うだけでは不十分であり,たとえば「2014年3月3日に,18:00~20:00までの2時間残業した」ことを,証拠の裏付けをもって一日ずつ立証していかなければなりません。
通常訴訟の場合,この立証責任のルールは厳格に適用され,裁判所は,残業代請求事件の判決の末尾に,各日の始業・終業時刻,休憩時間,時間外労働時間の1分単位の認定結果(エクセルシート)を添付します。
逆にいうと,裁判所が裏付けとして弱いと判断した日の残業時間は0分と認定されることになります。このように,立証責任を負っている労働者側としては,頑張って一日単位で残業の証拠を提出しなければ,自らの主張が認められないという不利益・リスクを負っているのです。
では,各日について,残業したことをどのような証拠で立証すればよいのでしょうか?
これについては,「客観的かつ具体的な証拠」であればあるほどよく,正確に打刻しているタイムカードがあれば最良証拠となりますが,某タイムカード会社によるとタイムカードで労働時間管理をしている会社は2割もないらしく,またタイムカードがあっても定時に打刻させた後に居残るような偽装工作も横行しているため,残業の証拠にならないことも多いのが実情です(逆に,会社側から「残業していないこと」の証拠として提出されることもあります。)。
そこで,以下では,タイムカードがないか,あっても実態を反映していないような会社を想定して説明します。
A「4月の人事異動で課長に昇進することになったよ!」
B「よかったね,じゃあ給料も増えるの?」
A「いや,基本給が少し上がって管理職手当もつく代わりに,残業代が出なくなるから今まで
より手取は減りそう・・・(◎ ◎)/」
日常会話やホームドラマでもよく聞くやりとりですね。ですが,はっきり言ってAさんは会社に騙されています。各企業の組織体制における「管理職」と,労基法上残業代を支払わなくてよいとされている「管理監督者」は,まったく別物だからです。
「管理監督者」にあたるのは,「経営者と一体的立場」にある者を指し,次の3つの要件を全て満たしている場合に限られます。裁判では8割以上が「管理監督者」にあたらないとして労働者側が勝訴しているのが実情です(飲食店の店長や銀行の支店長代理クラス等)。
つまり,「管理職」であっても残業代を請求できる場合の方が多いといえます。
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