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普通解雇は,解雇権濫用法理がそのまま綺麗に当てはまる類型です。
すなわち,就業規則上の解雇事由に該当するだけでは不十分であって,使用者側が,当該解雇につき,↓の2つの要件を満たしていることを立証して初めて解雇が有効となります。
①「客観的合理的理由」= 裁判所からみて,解雇に正当理由があるか
②「社会通念上相当」 = 「最後の手段の原則」を実践したか
ラジオのアナウンサーが,2週間で2回も生放送を寝過ごして解雇されてしまった事案です。1960年代(昭和40年代)はニュースメディアとしてのラジオの位置づけは現代よりも格段に大きかった時代ですので,なんとなく「えっ,さすがにそれはマズいのでは…。」と思いますよね。
しかし,最高裁は,「故意によるものではなく」,先に起きてアナウンサーを起こすことになっていたファックス担当者も寝過ごしてしまったこと(豪傑揃い!)等から,「解雇をもってのぞむことは,いささか苛酷にすぎ」るとして,解雇権濫用=解雇無効としました。
普通解雇の解雇権濫用法理のリーディングケースですので,個別の普通解雇事案の当否を検討する上で,常に参照し,これと比較すべき判決といえます。
1)まずは解雇理由証明書を入手!
使用者は,労働者から請求を受けた場合,解雇理由証明書を交付する義務があります(労基法22条)。
当該証明書の解雇理由は「具体的に示す必要があり…就業規則の内容及び当該条項に該当するに至った事実関係を証明書に記入しなければならない」(平成11年1月29日基発第45号)とされています。
解雇通告を受けた場合,何はともあれ,この解雇理由証明書を発行してもらいましょう。
そうすることで,具体的な解雇理由が明確となるだけでなく,裁判等で使用者の後付け解雇理由を事実上無力化することも期待できるからです。
2)各解雇理由について,使用者の立証への対抗策を検討
普通解雇の場合,解雇当時に客観的に存在した事実を解雇理由として主張すること自体は許されるとされています。すなわち,解雇訴訟では,使用者が「あれも,これも」とどんどん解雇理由を追加してくることは時々あります。
が,解雇理由証明書に記載していない事由は,「解雇当時,重要視していなかった」との経験則が働くため,これに付き合うべきではありません(相手をすると相手の思うツボ)。
労働者側は,解雇理由証明書に記載されている事由に焦点を合わせ,これを潰すことに全力を投入しましょう。その際,あくまでも主張立証責任が使用者にあることを前提として,以下の観点から対抗策を検討します。
・使用者側が主張する当該解雇事由が,みかけ上存在するか否か
・みかけ上存在するとして,1を89くらいに誇張していないか
・反証できる材料がないか
・当該事由に関して,書面で繰り返し指導等がなされているか
① 社風に合わない,協調性の欠如
多くの場合,このような抽象的な解雇理由で解雇が有効になることはありえません。使用者の方で,より具体的な事情の客観的な証拠を出す必要があります。
したがって,労働者側としては,たとえば自分が原因で他の社員と揉めたりトラブルとなり,これに対して注意指導(口頭・書面)を受けた証拠があるかないか,あるとして,自分の言い分を裏付ける証拠(メールや業務文書等)がないか確認しましょう。
② 能力不足・勤務成績不良
まず,労働者側の能力不足・勤務成績不良が事実といえるか否かがポイントとなります。労働者側としては,「前後」「左右」を意識して反論するとよいでしょう。
・「前後」
自分の従前の人事評価との比較。仕事ぶりは変わらないのに評価が急落したような場合,その理由を使用者側が合理的に説明できなければ,恣意的な評価の可能性が高い。
・「左右」
同じ職種の他の社員との比較。同じような営業成績なのに,自分だけ低い評価をつけられている場合,恣意的な評価の可能性が高い。
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