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過労自殺・うつ事件<精神疾患系>

<2021.11.8 統計データ更新
 出典:厚労省2021.6.23公表「過労死等の労災補償状況」>

精神の労災認定の仕組みと実情

1 精神障害の労災認定基準

図1 精神の認定基準概要

 うつ病や適応障害等の精神疾患(以下,労災認定基準に合わせて「精神障害」といいます。)に関する労災認定基準は,2011年に策定されました。

 認定基準の詳細は,厚労省のリーフレット↓をご覧ください。https://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/rousaihoken04/dl/120427.pdf

 図1は,私の方で認定基準のポイントをわかりやすく整理したものです。 

<精神障害の発病の有無&時期>
 過労うつ等の生存事案の場合,心療内科等のカルテ等から比較的容易に認定可能です。
 他方,自死事案の場合,業務多忙のため未受診のまま亡くなっていることが多いのですが,家族,恋人,友人にインタビューしたり(弁護士が「陳述書」を作成),本人のSNSへの書き込み等を集め,ICD-10(国際疾病分類第10版)のうつ病等の診断新基準にあてはめてみて,「今振り返ってみた場合,いつ,どの精神障害を発病したと考えられるか」を探求することになります。一見難しそうですが,労災認定された自殺事案の8割超は精神科受診歴ナシなので,丁寧にエピソードを集めれば大丈夫です(被災者が一人暮らしの場合等がやや大変)。

<業務上の心理的負荷>
 労災と認められるためには,発病「前」半年間における仕事のストレス(出来事)を調査し,弱,中,強の「強」と評価される必要があります。
 認定基準の「出来事表」には,多数の出来事が記載されていますが,現実にはパワハラ等の客観的数字で表せない出来事で認定してもらえることは稀で,月100時間程度の時間外労働があるか否か,が労災認定の鍵を握ります。

 

2 精神障害の労災認定件数&認定率

図2 精神障害の労災認定状況

 図2は,厚労省が公表している精神障害の労災統計を私の方でわかりやすくグラフにしたものです。 

 ここからわかることは,基本的に,精神障害の労災認定率はここ数年33%以下で推移していること,言いかえれば,約3分の2の事案は不支給となる=労災と認めてもらえないという厳しい事実です。
 2016年に電通の高橋まつりさんの労災認定が大きく報道され,働き方改革法等も施行されたことで,何となく「過労・パワハラの労災は前より認められやすくなった」というイメージが社会にありますが,実際には,労災認定率はまったく上がっていないのです。
 なお,自殺事案の労災認定率は全体よりも10ポイント高く,約45%前後で推移していますが,認定率が上がっていない点は残念ながら変わりません。

 


3 事案の種類による労災認定率の違い

図3 事案別の労災認定率

 図3は,図2の厚労省統計の2020年度の事案(出来事)別の労災認定率を分析した結果です。 

 「仕事の量・質」すなわち長時間労働系の出来事による労災認定率は約42%となっています。

 他方,パワハラ系事案の労災認定率の低さが問題となっていましたが(10%台),2020年のパワハラ防止法施行に伴い,認定基準に「パワハラ」が独立して整理されました。「パワハラ」の認定率は55%となっており,労働者・遺族にとって明るい兆しです。
 ただし,従来のパワハラ事案のカテゴリーだった「対人関係(いじめ,いやがらせ)」の認定率は15%と低いままです。どちらに評価・分類されるかによって結果が大きく変わります。
 労災申請時点で「パワハラ」として主張したものの,労基署から「対人関係」と評価されて不支給とされないよう(いわゆる「認定落ち」),今まで以上に申請「前」にパワハラの客観的証拠をしっかりと確保しておく必要があります。

 なお,セクハラ事案は半数が労災認定されており,パワハラよりも救済の間口が広いことがわかります。

 

4 精神障害の労災事案のイメージ図

図4 過労・ハラスメント事案のイメージ

 上記2,3の統計数字をもとに,私から見た過労・ハラスメントによる精神障害労災事案の全体像をイメージ化すると,図4となります。

 全体の件数としてはハラスメント,とりわけパワハラ事案が圧倒的に多いのですが,実際には労災も民事も厳しい(勝ちにくい)類型というのが実情です。
(セクハラは例外で,被害者保護が進んでいます)。

 精神障害の労災認定の主役は,長時間労働(月100時間程度の時間外労働)事案であり,客観的証拠をどれだけ集めてこれを立証できるかが重要なのです。

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